娘が投資にのめり込むのを、やんわりと諭したつもりだった浦田勝昭だったが、話は思わぬ方向に向かい、自分の老後の資金について思いをはせることになった…

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「お父さんはさ、『投資』ってひとくくりにしているかもしれないけど、実際のところはいろいろあるんだよ?やり方って」。いたずらっぽく笑いながら美紀子が解説を始める。

「投資って聞くと、デイトレーダーみたく、それこそ1分単位で売り買いしてる人をイメージするかもしれないけど、私がやってるのは同じ投資って言っても全然違うんだもん。もっと長期だし、ちゃんと原則に則った投資をしてるから安心なのよ」

ふーむ、とうなずく勝昭の胸の内は複雑だ。意外なほど説得力を持つ美紀子の言葉は心地よい驚きをもたらすが、一方で、娘が自分の知らない世界の話を始めることは、一抹の寂しさも感じる。それでも娘に話をあわせて聞いてみる。

「『原則』、なぁ…。ミキはそう言うけれど、投資にそんなものがあるのかい?値上がりする株を見つける方法とか、いろんな人がいろんな事を言っている印象があるけれど…」

勝昭が話にのってきたのを見て、美紀子の説明にも熱が入る。

「ううん、そこが違うのよ。株を買うか、買わないかって言う前に、そもそも自分がいくら投資できるのか、とか、そのうち何パーセントを株で持つべきかって言うのを決めておくの」

「ふーん、そんなのが決まっているんだ」

「そりゃ、もちろん、株を持つのが何パーセントなのかっていう数字は人によって違うけど、大事なのは、自分なりの目標を決めておいて、常にそこを基準に投資の意思決定をすることなのよ」。

一息に言った後、「それにね」、と一呼吸おいて美紀子が続ける。

「お父さんの言う、お金は額に汗してってのも、分かる。でも、投資をやることで、見えてくるものだってあるんだよ」

ほほう?という顔の勝昭を見て、美紀子はちょっと誇らしげな顔をしながら説明をする。

「ほら、私も最近は経済紙を読むようになったじゃない?あれも投資をした影響だと思うんだ。なんていうのかな、投資を通じて、経済とか世界情勢とか、いろんな事が分かってくるの」

そういえば、と勝昭も、美紀子が自分で読むために経済紙を契約したことを思い出す。ずいぶんしっかりしてきたな、とその時には思ったものだったが、よもや投資の影響だとは…。

(美紀子の話を、一度しっかり聞いてみるか…。たしかに、企業年金もアテにならない今、資産運用も必要なのかもしれない)

胸の内でつぶやく勝昭だった。 

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美紀子さんの解説する、「老後の不安をなくすために」、「原則に則って」、「経済のことがもっと分かるようになる」、投資方法、詳細は、「これなら買える!投資信託〜物語で学ぶ、賢い投信の選び方」 [1]で。

[1] http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478003033?ie=UTF8&tag=mcpromo-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4478003033