「決算書100本ノック」の紹介第3弾は、損益計算書です。英語で言うとProfit Loss Statement (プロフィット・ロス・ステートメントでまさに利益と損失の計算書。頭文字をとってPL (ピーエル)という場合もありますね。

どのくらい売ってもうけたかを表すのが損益計算書

週刊ダイヤモンドの記事によると、

損益計算書は、財務3表の中で最もシンプルで、理解が簡単だ

とのこと。要するに、

どれくらい売ってもうけたか

を表すものだからです。

具体的には、損益計算書の一番上には売上高が記載されていて、そこから様々な費用が引かれていくことにいなります。一番最後に残ったのが会社の儲けですね。

昔は重視されていた経常利益

この記事中で面白いのは、経常利益の説明です。解説としては、

営業利益に本業以外で発生した利益である「営業外収益」を足したり、費用である「営業外費用」を引いたりしたもの

となります。さらに、

営業外収益には預金の利息や保有株式の配当金、不動産収入などが、営業外費用には借入金の支払利息などが含まれる

と続きます。

ちなみに呼び方は、「けいじょうりえき」ですが、ときどき「けいつね」と呼ぶ人もいます。「けいじょう」と言う言葉は、計上も経常もさすので、誤解を避けるためでしょう。

この経常利益、バブル経済時代にはかなり重視されていたとのこと。というのは、当時は余ったお金を本業以外の投資に振り向けてお金を稼ぐ、いわゆる「財テク」が流行っていたから。そこで生まれた収益は経常利益になって表れるわけですから、当時の企業の中には営業利益よりも経常利益の方が多かったところもあるのでしょう。

とはいえ、それって昔の話。今はそれほど重視されているわけでもないとのことです。

損益計算書に関する指標分析

さらに、損益計算書の指標分析もいくつか紹介されています。

指標

計算方法

意味合い

売上原価率

売上原価÷売上高 これが高いと儲けが少なくなる
売上粗利率 粗利÷売上高 原価率の裏返し

などです。

損益計算書はステークホルダーへの分配表

これは「決算書100本ノック」に記載されてはいませんが、損益計算書を理解するに際しては、

儲けをどう分配するかの表

という理解の仕方があっても良いかと思います。会社には、様々なステークホルダーがいるわけじゃないですか。株主、社員、取引業者、あるいは国とか地方自治体も含めてもいいかもしれません。

お客様からいただいたお金、すなわち売上を、誰に、どのような形で分配するかを表したのが損益計算書であるという考え方は、その起源をたどるとかなり説得力のある説明だと思います。