「経済学」って聞くと、小難しそうなイメージってあるじゃないですか?

「金利が」、「為替が」、「マネーサプライが」…

って専門用語の嵐で、わけ分かんなくなっちゃう。「経済学を学ぶこと自体が不経済な行為だ」なんてジョークもあるぐらいだし。

と言うのは、まったくの誤解なんだよ、と言っているのがこちら。

大田他著、経済学の世界へ-経済の歴史と経済学の歩み

評価は

★★★★★ (何度でも読む価値あり)(評価の基準はこちら)

サブタイトルにあるとおり、経済学の発展の歴史を解説しているわけですが、これがバツグンに面白い。

なぜか。

経済学って、その時その時の問題から生まれたものだから。

たとえば、マルクス経済学は、「働けど、働けど、我が暮らし楽にならざる…」と嘆く労働者の悲しみを見たマルクス先生の、「こりゃ、なんかおかしいんじゃないのか?」というキョーレツな問題意識から生まれたとしたら?

あるいはケインズ経済学は、あまりにも好不況の波が激しいのを目の当たりにしたケインズ先生が、「これ、何とかしないとマズイよね」と、必死に考えた結果だとしたら?

これまで無味乾燥に見えた経済学が、イキイキとした、提唱者の息づかいが感じられるものになるのではないでしょうか。

ちょっと硬い表現がありますが(要するに、教科書なのね)、上記の観点を感じるためにはお勧めです。