「『管理会計』ってよく聞くけど、いったいなんなのさ?」
という疑問に、「林 總著、餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」の林先生が答えてくれるのがこちら。
林 總著、新版 わかる!管理会計―経営の意思決定に役立つ会計のしくみを学ぶ
評価は
「中期経営計画策定の手順」も解説されているので、大企業にお勤めの方にも発見は多いのではないでしょうか。
ただ…
ちょっと難しいので、必ずしも初心者にはオススメできません。
「そもそも会計って?」という方は、同じ著者の「林 總著、餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」を読むことをお勧めしたいと思います。
以下、ポイントを。
会計とは
●利益は売上と費用の差額概念
●会計ではコスト(原価)と費用を明確に分けています。材料や労働力を使って製品を作っただけではコストにすぎず、費用ではありません。その製品が売れて始めてコストは費用になります。別の言い方をすると、ある期間の売上高と対応関係にあるコストが費用であり、売上高から費用を差し引いた値が利益と言うことになります。
●中期経営計画策定の手順
1. 基本方針として、3年先までの目標総資産利益率を設定する
2. これから目標とする総資本と利益を決定する
3. 設備、人員計画など個別計画に基づいて各年次の固定費予算額を設定する
4. 製品グループごとの販売計画と生産計画から、変動製造費予算と変動販売費予算を策定する
5. 各年次の販売計画から限界利益を計算する
6. 各年次の利益目標額に固定費予算額を加えた金額と5. の限界利益を比較する
7. 赤字になると予想されたときは、個別計画に戻り、固定費や変動費の削減を検討する
8. 販売数量の増大や、高価格の製品開発等を再度練り直す
●会社が営業活動、つまり、材料(商品)を買って、製品を作って、販売して、代金を回収する一連の活動を行うには、一定額の資金が必要です。これを運転資本と言い、「在庫+売掛金-買掛金(未払い金)」で表すことができます。運転資本が大きいということは、それだけ多くの現金が必要ということを意味します。
指標分析と原価計算
●ROAの分解式
ROA = 総資産回転率 × 売上高利益率
●伝統的原価計算の欠陥は、価値を作り上げるプロセスという概念がないことです。当然、プロセスで行われるさまざまな活動(アクティビティ)概念もありません。活動概念を取り入れた活動基準原価計算が登場したのは、原価計算基準が登場してから25年たった1987年でした。
●ABCは1980年代、最悪のアメリカ経済と情報技術の飛躍的進歩を背景として登場しました。経営者たちは、正しい製品コストを追い求めました。それまでの原価計算システムは、何が不採算製品なのか、会社のどこにコストがかかりすぎているのか、と言う経営者の疑問に対して、満足な回答を提供できなかったのです。
●ABCで分かりにくい概念がコストドライバーです。これは、他人・機会・設備を利用することで発生するリソースコスト(費目別原価)をアクティビティに配分するとき、そしてアクティビティコストを製品・サービスへ配分するときに用いる基準です。前者を資源ドライバー、後者を活動ドライバーといいます。
●一方、ABMの流れは、製品からアクティビティへと下から上にさかのぼり、アクティビティの管理をします。つまり、ABCは製品原価の計算、ABMはアクティビティ原価管理のための手法です。
●RTM(リアルタイムマネジメント)とは、会社の実態を瞬時に把握して適切なアクションをとり、利益とキャッシュフローの最大化を実現する経営管理手法のことです。
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